法律の範囲を超えた刑の言い渡し

※太字の言葉は下に用語解説が書いてあります。

 

 

 

刑法

 

「2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金または科料に処し,

 

  または

 

 (2年以下の)懲役および(250万円以下の)罰金を併科する。」

 

 

と定められた罪を犯したと疑われていた被告人に対し,

 

 

裁判官が「被告人を懲役2年6月(=2年6ヶ月)に処する」との判決を言い渡す珍事件がありました。

 

 

一応,執行猶予も付きましたが,法定刑を超える刑を言い渡すのはなかなか珍しいです。

 

 

検察庁が確認作業をする中で裁判官のミスに気付き,裁判所に連絡するとともに,判決を是正するために控訴したそうです。

 

 

 

 

◎用語解説

 

刑法・・・罪人を罰するおきて。犯罪・刑罰を規定した法律

 

懲役・・・罪人を刑務所内に拘置し,労役に服させること

 

罰金・・・罰として出させる金銭。1万円以上のもの。

 

科料・・・罰として出させる金銭。1万円未満のもの。

 

併科・・・同時に二つ以上の刑に処すること

 

被告人・・・罪を犯したと疑われ裁判を受けている人

 

執行猶予・・・有罪判決を受けても一定期間普通に生活し,その間に犯罪を犯さなければ刑罰に処せられない制度

 

法定刑・・・法律が規定している刑罰

 

検察庁・・・検察官の事務を統括する法務省の機関

 

検察官・・・犯罪や事件を調べて裁判にかける人

 

控訴・・・第一審の判決に対して不服がある場合に上級裁判所に再び裁判してもらうよう申し立てること

 

 

名古屋の弁護士

山口統平法律事務所