双方が合意していても無効になった契約

 

身寄りのない高齢者の身元保証を行う愛知県安城市のNPO法人が,83歳の女性との間で贈与契約を締結しました。

 

その贈与契約の内容は,その女性が死亡したら,その女性のお金を全てNPO法人に贈与するというものでした。

 

 

 

この契約に対し,名古屋地方裁判所岡崎支部は,「契約は,公序良俗に反し無効」と判断しました。

 

 

判決理由で,NPO法人が負担する死後事務処理の費用が50万円ほどなのに,620万円を受け取るのは暴利と言わざるを得ない,ということが挙げられました。

 

 

 

民法第90条は,公の秩序または善良な風俗に反する法律行為は無効とする旨定めております。

 

そのため,双方が合意して契約を締結したとしても,それが公の秩序または善良な風俗(=公序良俗)に反している場合は,契約が無効となります。

 

 

公序良俗違反で無効となる契約の例として

 

・殺人契約など犯罪行為を内容とする契約

・愛人契約など人倫に反する行為を内容とする契約

・上記の裁判例のような暴利行為または不公正な取引を内容とする契約

・個人の尊厳・男女平等などの基本的人権に反する契約

 

 

などが挙げられます。

 

 

 

 

 

 

 

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山口統平法律事務所